ワンちゃんを飼っている人ならご存知だと思います。
ワンちゃんの皮膚ってすごくデリケートで見るからに薄いとわかるくらいなんですが、皮膚の色が薄ピンクで可愛いんですよね。
しかも柔らかい。寒い日はずーっと触って痛くなります。
よくワンちゃんの皮膚を日々見ていて「あれ?」と思うことありませんか?
子犬の時は、全身何のシミもなくピンク一色だったのが、成犬になって気づけば黒いシミが。
原因は何でしょう?放置して大丈夫なのでしょうか。
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黒い斑点ができる原因は?
マルチーズやシーズーなどに多く見られる現象なのですが、全身の皮膚にまだらの牛の模様のような黒い斑点は、メラニン色素が原因のことがほとんどです。
もともとあったものが成長とともに出てきただけか、人も加齢とともにシミが出てくるのと同じように、紫外線によって出てきたか。
これらの場合、特に心配する必要は全くないようです。
考えられる病気と対処法
問題なのは、その皮膚の黒い斑点が、何かしらの病気が原因だった場合です。
どんな病気があると、皮膚に現れてくるのでしょうか。
進行した膿皮症
もともと膿皮症は、ブドウ球菌などの細菌が皮膚上で増殖することで起こる皮膚疾患になります。
とにかくワンちゃんは痒がります。
なる原因は様々あり、抵抗力がなくなった時や、アレルギー体質のワンちゃん、内分泌疾患が原因でなる場合などあります。
軽い膿皮症であれば、薬を処方してもらいすぐ治る疾患ですが、慢性化したり、症状が長引いてくると、炎症が起きていた箇所の皮膚が黒ずんできます。
治療法
ステロイドと抗生物質、場合により塗り薬で治療します。
対処療法がメインになりますが、極力再発をさせないために、アレルギーが原因で起こった場合、アレルギーの特定に努めます。
膿皮症が完全に治り、皮膚の状態も落ち着けば、黒ずみも治ってくることが多いです。
進行したアトピー性皮膚炎
人と同じです。アトピー性皮膚炎を患うと、ワンちゃんは痒くてしきりに掻きたがります。
治療として抗ヒスタミンやステロイドの対処療法がメインになりますが、長期的に炎症が起き薬を使うということを繰り返していくと、皮膚が黒ずんできます。
治療法
人のアトピーも完治が難しいように、ワンちゃんも基本的に対処療法で押さえ込み、炎症が起きないようにするしか方法はありません。
体質改善療法として、減感作療法ができれば、完治に近い状態へはできるかもしれません。
いずれにしろ、アトピー性皮膚炎の症状が落ち着かない限り、皮膚の黒ずみも引きません。
犬毛包虫症(イヌニキビダニ症)
毛包虫はいくつか呼び方があり、「ニキビダニ」「デモデックス」「アカラス」などと呼んだりしますが、全部同じ毛包虫です。
これらは犬の皮膚に常在するダニで、普段は何の悪さもしませんが、体の抵抗力が弱っていたりすると、毛包虫が増殖を始め、皮膚トラブルを起こします。
症状的には、皮膚が赤みが出たり、黒ずんだりします。痒みは出ないようなので、毎日の皮膚のチェックが大事ですね。
治療法
子犬や若いワンちゃんで、初期の段階であれば、自然に良くなっていくことが多いので、様子見になります。若くても症状が深刻だったり、成犬担っているワンちゃんの場合は、ダニの駆除剤とともに薬浴の治療をします。
甲状腺機能低下症
何かしらの原因で甲状腺から分泌されるホルモンが減少してしまう病気です。
この病気になると、目に見えて元気がなくなる以外に、皮膚が黒ずんでくるという症状もあります。
特にお腹の皮膚が黒くなってきます。
二次感染として細菌性皮膚炎も同時に患うこともあるため、十分に注意が必要です。
また、この疾患には予防法がないため、普段のワンちゃんの状態を観察することがとても大切です。
治療
分泌できなくなった甲状腺ホルモンの代わりに、甲状腺ホルモン製剤を投与します。
投薬始めるとまもなく、症状の改善が現れます。
一生投薬は必要になりますが、適切な量の投薬で予後は心配無いようです。
メラノーマ
これは、シミという感じの斑点というより、しこりを伴った皮膚の変化がほとんどかもしれません。
ただメラノーマは、皮膚ガンです。
初期症状に乏しく、見つかった時にはもう転移があるということも珍しくありません。
ほくろ?シミ?そんな大したことがないように見える、小さな黒い点から全ては始まります。
今までなかったところに突然、黒い点ができたら素人判断せずに、病院へ行きましょう。
治療法
万が一、メラノーマだった場合、とにかく根治させるには外科手術になります。
十分信頼できる獣医さんと納得いくまで話をして、治療法を決めていくことが大事です。
お近くに動物の大学病院があるのであれば、そういった病院の専門医にかかることも1つです。
まとめ
- 黒い斑点・シミは大半が人でいうシミやソバカスと同じです。
- 皮膚疾患が原因で、皮膚が黒ずみ斑点のようになることがあります。
- 皮膚に何か今までと違う変化があった時は、自己判断せずに病院へいくことが大事です。
マルチーズは特に、年とともに皮膚に薄く黒いシミが出てくるワンちゃんが多いように見えます。
でも大半のワンちゃんは、単なるシミのことが多く、皮膚疾患が原因のことは珍しいです。
でも、やはり自分の可愛いワンちゃんです。
毎日の皮膚のチェックは怠らず、少しの変化も早く見つけてあげましょう。