吹奏学部で、ホルンを吹いている皆さ~ん、ホルンを吹いていると色んなお悩みや『あ~、それ分かる!』といったこと、ありませんか?
私は大学生の頃から社会人に至るまで、ホルンを吹いてきましたが、(それまでは吹奏楽部でトランペットを吹いていました。)『ホルンって、こんな楽器だったのか!』と改めて思ったことが沢山ありました。
その中には素敵な発見もありましたが、それ以上に苦労話も沢山ありました。
そこで今回は、吹奏楽部でのホルンあるあるをまとめてみました!
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そもそも楽器の説明に困る
『ホルン吹いてます』って、吹奏楽や楽器を詳しく知らない人に話した時によく聞かれるのが『どんな形の楽器?』という、泣きたくなるような質問です。
私を含め、多くのホルン吹きは『グルグルっとしたかたつむりみたいな、これ位の大きさの楽器で~。』と身体の前で説明することになります。
それでも相手の反応は微妙なんです(笑)。
『あー、あの大きい楽器ね。』
(『それって、絶対チューバかスーザ辺りの、違う楽器を想像してるだろう!』)とホルン吹きは心の中で『キーッ!』っと叫ぶんですが、もうそれ以上説明するのも面倒なので、私は笑ってごまかします。
『トランペットってどんな形?』って聞く人は、ほとんどいないのに・・・。
地味で泣きたくなる
ホルンパートって、特にポップス曲では長いメロディを担当することは滅多にありません。
美味しいところは大概、ユーフォニュームやサックスに持っていかれます。
えぇ・・・せめてそこ位はホルンにメロディくれてもいいんじゃない?ってとこでも、彼らにかっさらわれるので、ホルン吹きは半ば、悟りの境地に入っています。
また、クラシック曲でも吹奏楽のオリジナルにおいては、あまり長いメロディを担当することが、他の金管楽器に較べると、少ない気がします。
じゃあホルンは何をやっているか?それがホルンあるあるなんです。
マーチでは裏打ち
マーチでは必ずと言っていいほど、ホルンは『ンパッンパッンパッンパッ』と裏打ちをやっています。
他の管楽器で裏打ち担当はいないのかよ?って思うんですが、やはり適任はホルンなんですね。
中音域で適度な響きも残せるから、でしょうか。
効果音では無茶振り
その割に、激しい無茶振りをされるのもホルンの特徴です。
ホルン吹きは、ゲシュトップ奏法やグリッサンドが譜面にあると、ここぞとばかりにやたらと張り切ります。
この曲では典型的な、グリッサンドが何度も出てきます。
ただ、ゲシュトップもグリッサンドも、一発勝負が故に外しやすく、練習では上手くできていたのに本番で外して、めっちゃヘコむのも、ホルンあるあるです。
因みに、言い訳でお恥ずかしい限りですが、私は手が小さいのでゲシュトップがどうしても上手く出来ず、結局ゲシュトップの時は他の方に譲る、という優しい選択をしていました(笑)。
実は裏メロで活躍したい
そんなホルンパートですが、密かに裏メロでゴニョゴニョと動いているんです。
裏メロとは、主なメロディを引きたてるべく、裏で奏でられるメロディ、いわゆる対旋律ですね。
ソロで動く事もあれば、アンサンブルで動く事もあります。
ただ、あくまでも裏メロなのでメロディより目立ってはいけないんです。
でも、『裏メロ』なので埋もれてしまうと意味がないんです。
よく指揮者に言われたものです。
『ホルン、ちょっとうるさすぎ。もう少し押さえて。』
『いや、それじゃ全然聞こえないから。もっとメロディをひきたてるように抑揚を付けて!』
もー、どっちだよ!!って混乱の嵐です。
これって結構、フラストレーションがたまるんですよね、特にアンサンブルで動く場合は。
一生懸命パート練習したのに、全体練習ではアリンコのような辱めを受けるのって、すごく辛いです。
でも、ホルン吹きは何故かめげないんですよね、不思議です。
ピッチを合わせづらい
ダブルホルンの場合ですが、管がむやみやたらと長いせいか、ピッチを合わせづらいんです。
特に、真夏と真冬は本当に合わせづらいです。
あまりチューナーの数値に頼り過ぎるのは、初心者レベルで、経験を重ねるとチューニングB♭を聴けば、ピッチはどの楽器でも、あまり時間をかけずに大体合わせることができます。
ただ、ホルンに関してはどんなに上手な人でも、結構時間をかけないと合わせることができません。
じゃあチューナーを使えば良いじゃん!ってチューナーで合わせて、他の楽器全体と合うかというと、不思議なことに合わないことが多いんです。
恐らく、右手の入れ具合やチューニング管の抜き具合、その他の管の抜き具合や吹きこみ量による楽器の温度など、様々な要因が考えられます。
もうこれは、個人的な解決法ですが、
- ホルンパート内で、ある程度合わせる。
- 全体でチューニングをする時に、個人で微調整をする。
これがベターな、ピッチの合わせ方だと思います。
あとは、演奏しながら『おかしいな』と思ったら、都度すぐ、管を微妙に抜き差ししながら微調整するしかないと思いますね。
吹く場所に悩む
ホルンは管楽器の中で、唯一ベルが後ろを向いていますよね、聴く人は目の前にいるのに。
当然、音は後ろに飛ぶので、せっかく吹いても演奏会場によっては音が全く響かない、聴こえない、といった哀しい現象が起きるんです。
例えば、嬉しいけど哀しいのは、友人の披露宴の余興で演奏する時です。
そういう状況で演奏する場合の多くは、床に絨毯が敷かれていて、周りにはファブリック類が沢山あって・・・唯一の反響板である、金屏風はステージ風でなく、まっすぐなので意味がありません。
よって、ホルンの美しい響きなんて全く期待できないし、そもそも余興なので多分まともに聴いてくれていないです・・・哀しい。
故に、音響が良いといわれるホールで演奏できる!と言われた時のテンションの上がり具合が、他のどのパートよりも高いのが、ホルンパートだと思います。
ただ、あまり響き過ぎると、曲によっては『ホルン、押さえて!』と指揮者に言われかねないので、混乱スパイラルの始まりです。
また、学校の体育館や公民館など地元で吹く時は、音響も反響板も何もありませんよね。
そんな時は、自前で作りました、反響板を。
ホルンは、本当に吹く場所に悩む楽器なんです。
楽器運搬で悩む
ホルンには、ベルが外れるベルカットタイプと、外れないワンピースタイプがありますよね。
ベルカットだと、ハードケースに入れると四角のケースに収納できるので便利かと思いきや、これがまた重いんです。
なので、それを嫌ってベルカットでもリュック型のソフトケースに入れて持ち運びするホルン吹きもいます。
因みに、私のホルンはワンピースなので、持ち運びの際に重いわ、形がいびつなのであちこちにぶつかりやすいわで、不便極まりないのは、言うまでもありません。
車で運搬する時にも悩む
また、手で持ち運ぶ時に悩むだけでなく、車で運搬する時はテトリス状態なので、他のパートも悩ませます。
ソフトケースのホルンは、もちろん荷台には積まないので問題はありません。
また、全員がベルカットのハードケースなら問題はないのですが、ベルカットとワンピースが混在している場合は、ホルンパート内で予めシミュレーションしておかないと、最悪の場合、他のパートに悪態をつかれるので注意が必要です。
ホルン吹きは個性的な人が多い
こんな複雑な?事情もあるからか、ホルン吹きには良い意味で個性的な人が多いです。
有名人だと、福山雅治さんやつるの剛士さんがホルン吹きだったことは、有名なエピソードですよね。
私の周りでも、ホルン吹きには個性的な人が多い気がします。
私はどうかって?多分、周りには個性的に見えているんでしょう(笑)。
基本は優しい人が多い
『個性的』な人を含めて、ホルン吹きには優しい人が多い気がします。
それも、裏打ちで耐え忍ぶ忍耐力や、裏メロで影武者として活躍する涙ぐましい努力などなど、ホルンを取り巻く様々な状況が、ホルン吹きを優しい人にしているんじゃないかなぁと、個人的には思います。
もし、私がまたトランペットパートに戻りたいか、と言われると、答えは『NO』です。
優しいホルン吹きの先輩や後輩、友人に囲まれたら、その雰囲気が当たり前のように思えてきて、他の環境に馴染めないような気がするからです。
写真撮影の基本はベルを被る
最後にホルンゆえのあるあるですが、皆で自由なポーズで揃って写真撮影する時は互いにベルを被ります。
これは、他の楽器ではなかなかできませんよね。
それに、ホルン吹きがいかに仲が良いかっていう証拠でもありますよね。
まとめ
ホルン吹きとして、『これあるある!』といった、ほんの一部をまとめてみました。
語り出すと長くてキリがない、ホルンあるあるなんです、実は。
それも、ホルンの管がやたらと長いせいでしょうか。
お後がよろしいようで(笑)。